坂口安吾について
坂口安吾は、一九〇六年に新潟県に生まれました。東洋大学文学部印度哲学倫理学科卒業。純文学のみならず、歴史小説、推理小説、文芸から時代風俗まで広範に材を採るエッセイまで、多彩な領域にわたって活動しました。終戦直後に発表した「堕落論」や「白痴」などにより時代の寵児となります。太宰治や織田作之助と並んで、無頼派と呼ばれる作家の一人です。その多作のためか、あるいは薬物中毒のためか、一九五三(昭和二十八)年二月十七日に脳出血により死去しました。
作品としては、一九四六年に発表した「堕落論」と「白痴」が特に有名です。「堕落論」では、終戦後の暗澹たる世相の中で、「堕ちきること」を考察して大きな反響を呼びました。自伝的作品として「風と光と二十の私と」などがあります。主に二十代の青春期の精神遍歴が連作風に書かれ、特に「二十七歳」「三十歳」では当時新進女流作家でありまた美貌でもあった矢田津世子との恋愛を描いていて、作家自身もこれらを重要視しています。
作品としては、一九四六年に発表した「堕落論」と「白痴」が特に有名です。「堕落論」では、終戦後の暗澹たる世相の中で、「堕ちきること」を考察して大きな反響を呼びました。自伝的作品として「風と光と二十の私と」などがあります。主に二十代の青春期の精神遍歴が連作風に書かれ、特に「二十七歳」「三十歳」では当時新進女流作家でありまた美貌でもあった矢田津世子との恋愛を描いていて、作家自身もこれらを重要視しています。