下村湖人

1884 - 1955

下村湖人について

下村湖人は、一八八四年(明治十七年)に佐賀県に生まれました。小説家・社会教育家です。
東京帝国大学英文科卒。大学卒業後に母校佐賀中学校教師や鹿島中学校校長等を歴任し辞任後は、同郷で高校・大学同窓の田澤義鋪に従い、講演や文筆活動で社会教育に尽力しました。
一九三二年(昭和七年)から本格的な文筆活動に入り、一九三六年(昭和十一年)から代表作『次郎物語』の連載を雑誌「新風土」で開始します。一九四八年(昭和二十三年)には、復刊された雑誌「新風土」で『次郎物語』第四部の連載を開始しました。一九五四年(昭和二十九年)には『次郎物語』第五部を上梓しますが、このころから病床に伏すようになり、翌年春、脳軟化症と老衰のため七十歳で死去しました。下村湖人は『次郎物語』の第五部のあとに、少なくともあと二編の構想を暖めていたとみられることから、同作は未完に終った作品と考えられています。

下村湖人の作品