幸田露伴について
幸田露伴は、一八六七年(慶応三年)に江戸の下谷に生まれました。一八九二年、二十五歳の時に発表した「五重塔」は文語体作品ですが、今でも多くの人に読み継がれている傑作です。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築きました。擬古典主義の代表的作家です。また漢文学や日本古典にも造詣が深く、多くの随筆や史伝を書いています。「芭蕉七部集評釈」は特に有名です。
娘に、優れた女流作家の幸田文がいます。その娘の青木玉も随筆家で、そのまた娘、つまり露伴から数えて四代目の青木奈緒もエッセイストです。文豪の血は連綿として受け継がれています。
幸田露伴の作品