彫心鏤骨の芸術品である「幻住庵の記」と「嵯峨日記」を平易な現代語訳付で。
この古典教養文庫版の「幻住庵の記・嵯峨日記 現代語訳付」には、次のような特長があります。
- 読みやすい本文
原文と現代語訳を交互に掲載しているため、大変読みやすくなっています。
- わかりやすい現代語訳と俳句の解釈
訪れた場所ごとに章分けをし、適切な標題を付け、全文にわかりやすい現代語訳をつけました。
さらに全発句に簡潔な解釈をつけました。
- 懇切丁寧な注
理解を助けるために、わかりにくい言葉や地名・人名などを割り注の形で入れてありますので、非常に読みやすくなっています。
- 写真を収録
関連の写真を挿入して、より旅情を感じられるよう工夫しました。
- 適切な表現
漢字はすべて新漢字を使用し、また原文には最も妥当と思われるルビを振りました。
幻住庵の記・嵯峨日記 現代語訳付について
この日記は元禄三年四月六日から同年七月二十三日までの動静を書き記したものである。
内容的には、幻住庵の位置と由来、また幻住庵に入るまでの来歴、庵の環境や眺め、その生活などを記している。
また深川隠棲当時を回顧しながら、これまでの歩みとこれからの決意を述べていて、非常に重要な位置を占める一文であると言える。文章にもかなり彫琢を加え一つの芸術品と言っていい出来栄えとなっている。
なお、一続きの文章であるが、いくつかの段落に区切って、その都度、現代語訳をつけて読みやすくしてある。
(嵯峨日記について)
芭蕉四十八歳、元禄四年四月十八日から同年五月四日までの日記である。文芸的な内容を含むが、「幻住庵の記」や「おくのほそ道」ほどに芸術性に富むわけではない。しかし、それがために返って人間芭蕉を色濃く反映した内容となっており、芭蕉という人間を知るのに興味深くまた大変貴重な日記と言える。
内容的には、幻住庵の位置と由来、また幻住庵に入るまでの来歴、庵の環境や眺め、その生活などを記している。
また深川隠棲当時を回顧しながら、これまでの歩みとこれからの決意を述べていて、非常に重要な位置を占める一文であると言える。文章にもかなり彫琢を加え一つの芸術品と言っていい出来栄えとなっている。
なお、一続きの文章であるが、いくつかの段落に区切って、その都度、現代語訳をつけて読みやすくしてある。
(嵯峨日記について)
芭蕉四十八歳、元禄四年四月十八日から同年五月四日までの日記である。文芸的な内容を含むが、「幻住庵の記」や「おくのほそ道」ほどに芸術性に富むわけではない。しかし、それがために返って人間芭蕉を色濃く反映した内容となっており、芭蕉という人間を知るのに興味深くまた大変貴重な日記と言える。