次郎物語(全)

教養小説の魁である下村湖人の傑作「次郎物語」を完全収録

次郎物語(全)について

日本が持った初めての本格的な教養小説と言っていいでしょう。幼少期に里子に出された主人公本田次郎の成長を、青年期にかけて描いています。湖人自身の里子体験が反映されるなど、自伝的色彩が濃いものとなっています。
第一部から第三部では、家族や学校といった場所で社会性を身につけるに当たっての主人公の人間的成長が描かれています。第四部と第五部では、五・一五事件、二・二六事件など軍国主義的な時代を背景として、主人公の精神的恋愛が作品の重要な要素として描かれています。
第一、二、五部には「あとがき」が、第四部には「附記」があります。第二部のあとがきによれば、第一部は「教育と母性愛」、第二部は「自己開拓者としての少年次郎」がテーマであると述べられています。また、第五部のあとがきには、「戦争末期の次郎を第六部、終戦後数年たってからの次郎を第七部として描いてみたいと思っている」とあります。
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