細雪 上

文豪谷崎潤一郎の畢生の大作

この本について

 この本は、谷崎潤一郎の代表作である長編「細雪」の上巻に当たります。
 青空文庫に収録されているものを、手元にある新潮文庫版(昭和三十年十月十日初版、五十七年三月十日第四十五刷)の「細雪」上巻と照らし合わせて、わずかですが誤植を訂正しました。
 また行頭に一字分のスペースを入れる(会話を表す「 の場合は、そのまま)など、様々な修正を施しました。
 いくつかの漢字表現(「兎に角」など)を、新潮文庫版にならって、ひらがなに直しました。ルビの小文字(「っ」など)は見栄えを重視して普通文字(「つ」)に直しました。
 特にスマートフォンなどの携帯のデバイスで読みやすいように、各項は、必ずページの先頭に来るように改ページを入れました。
 また、注については、編集者がいくつか割り注の形でいれ、何枚かの参考写真を挿入しました。

細雪 上について

 『細雪』(ささめゆき)は、谷崎潤一郎の長編小説であり、また代表作ともなっています。一九三六年(昭和十一年)秋から一九四一年(昭和十六年)春までの大阪の旧家を舞台に、四姉妹の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品です。阪神間モダニズム時代の阪神間の生活文化を描いた作品としても知られ、全編の会話が船場言葉で書かれています。上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し挽歌的切なさをも醸しだしているといわれています。
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