世界の幻想文学の耐えることのない巨大な源泉
この本について
この古典教養文庫版の「千一夜物語 第1巻」には、次のような特長があります。
- 現在では使われない言い回しや言葉は、現在普通に使われる言葉に置き換えました。現代人には意味の取りにくい文は、平易な文に書きなおしました。明らかな誤訳はこれを訂正しました。
- この巻の巻末の「凡例」に訳者も記しているように、もともとこのレイン版「千一夜物語」では、大幅に削除されている部分があります。しかし、この電子書籍版では、フランス語版であるマルドリュス版などを参考に、出来うる限りより原典に近い内容に改めました。
- 原翻訳書にあった注釈は、重要な事項以外はこれを省略しました。これはあまりに詳しすぎるために物語を読む楽しみを幾分減退させるきらいがあること、それに注の内容が現代にそぐわなくなっているものが多数見受けられることが理由です
- しかし、物語の理解に欠かせない登場人物、でき事、事物などの注については、これを割り注という形でいれてあります。これは原訳書にあったものに、マルドリュス版などを参考に編集者が適宜加えたものです。
- 人名・地名は、現在通常に使われている表記に変更しました。
- 挿絵は、原書に掲載されたウィリアム・ハーヴェイ(一七九六—一八六六)の挿絵をほぼすべて掲載しました。またこの他に原文で触れられた場所、人物、絵画などを中心に、関連する画像を、著作権フリーのものにかぎって、いくつか挿入しましたので、より興味深く読み進めることができます。
- 概ね全十巻で完結を目指していますが、途方もない分量のため、あるいはもう少し多くなるかもしれません。予めご了承ください。