深遠な哲学的内容に踏み込んだドストエフスキーの傑作
この本について
この古典教養文庫版の「悪霊(上)」には、次のような特長があります。
- 現在では使われない言い回しや言葉は、現在普通に使われる言葉に置き換えました。現代人には意味の取りにくい文は、平易な文に書きなおしました。
- 原文で触れられた場所、人物、絵画などを中心に、関連する画像を、著作権フリーのものにかぎって、いくつか挿入しましたので、より興味深く読み進めることができます。
- わかりにくい言葉や、登場人物、でき事、作品などについての適切な注を、割り注の形で入れてありますので、本文の理解が深まります。これは、原訳書にあったものに編集者が適宜加えたものです。
- 原訳書におびただしく挿入されたフランス語などの外国語表記はそのまま掲載し、日本語訳を割り注の形で入れました。
- 人名・地名は、現在通常に使われている表記に変更しました。
- 特に人名については、ロシア固有の文化を尊重する観点から、できるだけ原文通りの名前・父称としました。たとえば、これまで「ステパン氏」と訳されることが多かった、ステパン・トロフィーモヴィチ・ヴェルホーヴェンスキーについては、原書の表記どおり「ステパン・トロフィーモヴィチ」とし、また「ワルワーラ夫人」も「ワルワーラ・ペトローヴナ」としました。
悪霊(上)について
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(1821-81)の五大長編の一つで、そのうちの3番目の作品である。無政府主義、無神論、ニヒリズム、信仰、社会主義革命などをテーマにもつ深遠な作品である。
