文豪ドストエフスキーの淡い青年の恋を描いた異色作
白夜について
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(1821-81)による二十七歳のとき(1848年)の作品。ペテルブルグで夢想的な生活をおくる青年の、淡い恋を描いています。ドストエフスキーの全作品の中でも、そのロマンティックな内容から特異な位置を占めています。
巻末に訳者米川正夫による解説を掲載しました。
(書き出し)
素晴らしい夜であった。それは、親愛なる読者諸君よ、われらが若き日にのみあり得るような夜だったのである。空には一面に星屑がこぼれて、その明るいことといったら、それを振り仰いだ人は、思わずこう自問しないではいられないほどである——一体こういう空の下に、いろいろな怒りっぽい人や、気まぐれな人間どもが住むことができるのだろうか? これは親愛なる読者諸君よ、青くさい疑問である、ひどく青くさいものではあるが、わたしは神がしばしばこの疑問を諸君の心に呼び醒ますように希望する!
巻末に訳者米川正夫による解説を掲載しました。
(書き出し)
素晴らしい夜であった。それは、親愛なる読者諸君よ、われらが若き日にのみあり得るような夜だったのである。空には一面に星屑がこぼれて、その明るいことといったら、それを振り仰いだ人は、思わずこう自問しないではいられないほどである——一体こういう空の下に、いろいろな怒りっぽい人や、気まぐれな人間どもが住むことができるのだろうか? これは親愛なる読者諸君よ、青くさい疑問である、ひどく青くさいものではあるが、わたしは神がしばしばこの疑問を諸君の心に呼び醒ますように希望する!

改版履歴
2017-11-29
第2版 | 書名を変更しました。表紙を変更しました。 |