サヴォワの助任司祭の信仰告白

世を震撼させ、カントにも深甚な影響を与えた問題作

サヴォワの助任司祭の信仰告白について

 この本は、フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーの主著『エミール』の第4編の主要部分をなすものとなっています。
 彼の哲学思想の中核をなすもので、著書の一部分でありますが、特に有名なものとなっています。
 この『サヴォワの助任司祭の信仰告白』は、特に哲学者カントに大きな影響を与えたといわれています。彼は、いつもの散歩を忘れて読みふけりました。近隣の住民は、いつもの時間にカント先生が散歩に来ないので大騒ぎをしたと伝えられています。
 カントはルソーについて以下のように述べています。

「知力の修練は、独り理性のためのみでなく、道義のためにも尊重すべきことを青年に教えなくてはならない。私の場合において、心状から言って、私は真理の探求者である、知識に渇し、認識の進歩に憧れることはなはだしい。かつて私は、この進歩のみが人類を貴からしむるものと信じ、この事に一顧をも与えない一般人を侮蔑したことがあった。ルソーは私を誘って、前よりも真理に近い心の状態においてくれた。私の愚かしい虚栄心は消え失せた。私は初めて人間を貴ぶべきことを学んだ。そしてもし私が、認識上の進歩は人類の進歩の各方式に貢献し、安固な基礎の上に人権を規定するものだということを信じなかったら、自己を最も平凡な職工よりもなお無用なものと見なしたかもしれない。」
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