室生犀星

1889 - 1962

室生犀星について

 室生犀星は、一八八九年(明治二十二年)に石川県の金沢に生まれました。北原白秋の三つ下、萩原朔太郎の一つ下の年齢です。私生児として生まれたことは、犀星の生い立ちと文学に深い影響を与えました。
 一九〇二年(明治35年)に高等小学校を中退し金沢地方裁判所に給仕として就職し、そこの上司に俳句の手ほどきを受けます。
 一九一三年、北原白秋に認められ、白秋主宰の詩集「朱欒(ざんぼあ)」に寄稿し、萩原朔太郎とも親交を持つようになります。一九一九年には、「幼年時代」「性に目覚める頃」の小説を発表します。
 その後、詩との決別宣言をし、小説を多数書きあげますが、詩作も行っていました。
 戦後も、娘朝子をモデルとした一九五八年の自叙伝的な長編「杏っ子」など、多くの小説を書きましたが、一九六二年に死去しました。

室生犀星の作品