パスカル

1623 - 1662

パスカルについて

 ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal、1623—1662)は、フランスの哲学者、自然哲学者、物理学者、思想家、数学者、キリスト教神学者です。
 大変な早熟の天才で、その才能は多岐にわたっています。
「パスカルの三角形」、「パスカルの原理」、「パスカルの定理」などの発見で知られています。圧力の単位パスカルは彼の名前からとられています。
 三十九歳で逝去したため、この「パンセ」は遺稿として残されました。
 以下は「パンセ」の訳者津田穣による「はしがき」からの引用です。

「……ブレーズ・パスカル Blaise Pascal, 1628 - 1662 は、フランス十七世紀の数学者物理学者、何よりも深い思想の持ち主として、フランス語を話す国々の大方の思想家たちが、これにあるいは深く養われ、あるいは強く反抗したほどの大いなる足跡を遺した。
 自然学においては、有名な大気の重さに関する諸現象の実験的証明を始め、確率論の創始、積分理論の確立など、幾多の輝かしい業績を挙げたが、生涯極めて虚弱、その厳格な禁欲主義はキリスト教徒的献身の模範とされている。
 主著はふつう『パンセ』と呼ばれる未完成の作品。これは彼が、晩年、無神論者たちに対してキリスト教弁証論を意図し、人間の探究を試みて畢生の努力を注いだが、短い生涯のゆえにその遺稿を友人たちが整理し、千六百七十年に刊行したものである。フランス文学屈指の古典。人間研究はこの国に独自の伝統を持っているが、『パンセ』に見られる熱烈なる信仰と冷徹なる科学的精神との融合は、他に比類がない。……」

パスカルの作品