宮沢賢治全詩集

稀有な大詩人宮沢賢治の詩業を集成!

この本について

 童話作家として名高い宮沢賢治ですが、何よりも詩人として飛び抜けた才能を持ち、膨大な数の優れた詩業を遺しました。しかし、その詩人としての業績がまだ充分に理解されているとは言えないと思います。この宮沢賢治全詩集には以下の詩集を収めました。

「心象スケッチ 春と修羅」
「春と修羅 第二集」
「春と修羅 第三集」
「春と修羅 補遺」
「詩ノート」
「疾中」
「雨ニモマケズ手帳」
「文語詩稿 五十篇」
「文語詩稿 一百篇」
「文語詩未定稿」

高村光太郎は、宮沢賢治について以下のように書いています。

……もう一人の大詩人宮澤賢治は稗貫郡花巻町に明治二十九年に生れ、この人もたった三十八歳で死にましたが、その為しとげた仕事の立派さは驚くばかりです。此の詩人の詩や童話は実にたくさんあり、どれをよんでみても心が清められ、高められ、美しくされないものはありません。非常に宗教心にあつく、法華経《ほけきょう》を信仰して、まるで菩薩《ぼさつ》さまのような生活をおくっていました。仏さまといってもいい程です。自分をすてて人の為に尽し、殊に貧しい農夫の為になる事を一所懸命に実際にやりました。詩人であるばかりでなく農業化学や地質学等の科学者でもあり、酸性土壌改良の炭酸カルシュームを掘り出したり、世の中にひろめたりしました。皆さんの知っている「雨ニモマケズ」の詩は病気でねている時に書いたのですが、今日でも多くの人に救と力とを与えています。「風の又三郎」を映画で見た事がありますか。あの童話も宮澤賢治の作ったものです。此詩人は全く世界的な大詩人といっていいでしょう。(高村光太郎 「啄木と賢治」より)

賢治の詩が、広く愛唱されることを願ってやみません。

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