新美南吉詩集

童話のみならず独自の詩的世界を構築した新美南吉の詩集。珠玉の小品「貝殻」を収める

この本について

「ごん狐」などの童話で名高い新美南吉の詩集です。26編の詩を収めました。

 童話と同じく、平易な言葉遣いで分かりやすく、しかも深い情感に満ちあふれた詩を多く書きました。「貝殻」は特に有名です。

  貝殻

かなしきときは
貝殻鳴らそ。
二つ合わせて息吹きをこめて。
静かに鳴らそ、
貝がらを。

誰もその音を
きかずとも、
風にかなしく消ゆるとも、
せめてじぶんを
あたためん。

静かに鳴らそ
貝殻を


その他収録されている詩は以下の通りです。

1931年
ひかる 6月
月から 9月
一れつ 10月
深呼吸 10月
デパートの窓 11月
お月さまを 12月

1932年
どらが鳴る 2月
ひなた 4月
乳母車 7月
井戸 8月
よい家 8月
熊 8月
苔人形 8月
明日 10月
ごろぜみ 11月
りんごの車 111月
島 11月
島 12月

1933年
カンテラ 1月
光 4月
輪まはし 8月

1934年
貝殻

1935年
仔牛 2月
雀の歌 2月
沼の家 3月

1937年
そりとランターン 6月

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