ステパンチコヴォ村とその住人

シベリア流刑からの復帰後第二作

この本について

この本は、ドストエフスキー作、米川正夫訳の「ステパンチコヴォ村とその住人」です。
巻末に訳者による解説を掲載しました。
この古典教養文庫版の「ステパンチコヴォ村とその住人」には次のような特長があります。

この古典教養文庫版の「ステパンチコヴォ村とその住人」には、次のような特長があります。

  1. 現在では使われない言い回しや言葉は、現在普通に使われる言葉に置き換えました。

  2. わかりにくい言葉や、登場人物、でき事、作品などについての適切な注を、割り注の形で入れてありますので、本文の理解が深まります。

  3. 人名・地名は、現在通常に使われている表記に変更しました。

ステパンチコヴォ村とその住人について

この作品は、一八五九年、ロシアの『祖国雑記』十一月号と十二月号に分載されました。
シベリア流刑後にドストエフスキーの名前で発表されたものとしては、『伯父様の夢』に次いで二番目の作品となります。
『伯父様の夢』と同じくユーモア小説の系列に属するものです。
ドストエフスキーは兄ミハイル宛の手紙のなかでこの作品について次のように述べています。

「いいですか、ミーシャ! この長編は、もちろん、非常な欠点を持っています。何より、冗長なのです。しかし、僕が原則として信じているのは、それが同時に大きな長所を持っていて、僕の最も優れた作品であるということです。僕はそれを二年がかりで書きました(『伯父様の夢』を挟んだので、いったん中絶して)。発端と中間は推敲しましたが、終わりは走り書になりました。しかし、そのなかには僕の魂、僕の血肉がそそいであるのです。僕はそのなかでおのれの全部を表白しつくした、などとは言いたくありません。それはとんでもないことです! また言うべきことはたくさんあります。のみならず、その長編には心情的なものが少ないのです(つまり、情熱的な分子、例えば『貴族の巣』の中にあるようなもの)。しかし、その中には、二つの大きな典型的な性格があります。五年間もノートしながら創り上げたもので、申し分なく仕上げができています(僕の考えでは)。それは完全にロシア的性格で、今までロシア文学があまりよく表示しなかったものです。カトコフがそれを評価してくれるかどうか知りませんが、もし大衆が冷淡な態度で受け入れたら、僕はおそらく絶望してしまうでしょう。その長編に僕の望みがことごとくかけられているのです。何よりも僕の文名の強化がかけられているのです」
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底本

ドストエフスキー全集 河出書房新社
昭和四十五年一月二十日初版発行

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