永遠の夫

「白痴」と「悪霊」の間に書かれたドストエフスキー円熟期の中編

この本について

 この本は、ドストエフスキー作、米川正夫訳の「永遠の良人」です。題名をより一般的な「永遠の夫」に改めました。また、巻末に訳者による解説を掲載しました。

 この古典教養文庫版の「永遠の夫」には、次のような特長があります。

  1. 現在では使われない言い回しや言葉は、現在普通に使われる言葉に置き換えました。現代人には意味の取りにくい文は、平易な文に書きなおしました。

  2. わかりにくい言葉や、登場人物、でき事、作品などについての適切な注を、割り注の形で入れてありますので、本文の理解が深まります。

  3. 人名・地名は、現在通常に使われている表記に変更しました。

永遠の夫について

『永遠の夫』は、フョードル・ドストエフスキーの中編小説で、一八七〇年『黎明《ザリャー》』の一月号・二月号に発表されました。
 一八六八年の『白痴』と一八七一年の『悪霊』の二つの巨大な長編に挟まれた中編です。
 当時ドストエフスキーは、ドイツのドレスデンにいて、次女の出産もあり家庭の財政状況は極度に逼迫していました(解説参照)。そのため、すぐに金になる中編を書き上げることにしたのですが、急場しのぎとは思えないほどレベルの高い作品となっています。
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底本

 「永遠の良人」新潮文庫
   昭和三十年 五月三十日 発行
   昭和五十一年四月十日二十五刷

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