光あるうち光の中を歩め

文豪トルストイ晩年の傑作短編

この古典教養文庫版の「光あるうち光の中を歩め」には、次のような特長があります。

  1. 現在では使われない言い回しや言葉は、現在普通に使われる言葉に置き換えました。現代人には意味の取りにくい文は、平易な文に書きなおしました。

  2. わかりにくい言葉や、登場人物、でき事、作品などについての適切な注を、割り注の形で入れてありますので、本文の理解が深まります。これは原訳書にあったものに、編集者が適宜加えました。

  3. 人名・地名は、現在通常使われている表記に変更しました。

光あるうち光の中を歩めについて

……ともあれ、トルストイはこの作品を自己の著作の中に加えることを欲しなかったにもかかわらず、宗教・政治・社会・恋愛・結婚・家庭など、人生の根本に横たわる重要な問題を、美しいエキゾチックな物語の中で簡潔に力強く織り込んだこの篇は、たちまち謄写版や筆写の形で世に普及し読書界を征服して行った。外国におけるこの書の成功は目ざましいばかりで、最初の外語移植であるる英訳“Work while you have Light”(1890)の出版が、ジュネーヴ版の露文テキストの出版に先だつこと二年であるのに徴しても、一般を推して知ることができるではないか。
(米川正夫の解説より、抜粋)
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底本

角川文庫 民話集「人は何で生きるか」
昭和四十三年十月二十日 改版初版発行
昭和五十八年五月三十日 改版二十六刷発行

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