潤一郎訳源氏物語 完全版

谷崎潤一郎畢生の大業「新々訳源氏物語」

この本について

この古典教養文庫版の新々訳「潤一郎訳源氏物語」は以下のような構成になっています。

第一巻 桐壺・帚木・空蟬・夕顔・若紫
第二巻 末摘花・紅葉賀・花宴・葵・賢木・花散里
第三巻 須磨・明石・澪標・蓬生・関屋・絵合・松風
第四巻 薄雲・槿・乙女・玉鬘・初音・胡蝶
第五巻 螢・常夏・篝火・野分・行幸・藤袴・真木柱・梅枝・藤裏葉
第六巻 若菜上・若菜下
第七巻 柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻・雲隠
第八巻 匂宮・紅梅・竹河・橋姫・椎本・総角
第九巻 早蕨・宿生・東屋
第十巻 浮舟・蜻蛉・手習・夢の浮橋

この本は、その全巻を収めた完全版です。源氏物語全五十四帖を収録しました。

底本は以下の中央公論社の中公文庫版
「潤一郎訳源氏物語 巻一」(昭和四十八年六月十日初版、五十五年三月一日第十八版)
「潤一郎訳源氏物語 巻二」(昭和四十八年七月十日初版、平成十年九月二十日改版再版)
「潤一郎訳源氏物語 巻三」(昭和四十八年八月十日初版、平成十四年二月二十五日改版第三刷)
「潤一郎訳源氏物語 巻四」(昭和四十八年九月十日初版、平成十三年二月二十五日改版三刷)
「潤一郎訳源氏物語 巻五」(昭和四十八年十月十日初版、平成十四年二月二十五日改版第三刷)

注は原書に頭注としてついているもの(谷崎自身による)を割り注の形でいれました。
また、各巻の冒頭に、編集者によるその巻の梗概と主な登場人物一覧を掲載して、この長大な物語理解の一助としました。

潤一郎訳源氏物語 完全版について

「源氏物語」は、平安時代中期に成立した日本の長編物語、小説です。
「桐壺」から「夢浮橋」までの全五十四帖で構成されています。
現在では、大きく分けて次のように三部構成と見る見方が一般的です。

第一部 桐壺——藤裏葉
第二部 若菜上——幻
第三部 匂宮以下三巻と宇治十帖

作者は藤原為時の娘である紫式部と言われています。その娘に大弐三位がいます(与謝野晶子は、彼女が「若菜」以降の作者ではないかという説を述べています)。
四百字詰め原稿用紙にすると約二千四百枚に及ぶ長さが有り、およそ五百名近くの人物が登場します。時代も七十年余りにわたっています。また八百首弱の和歌を含んだ歌物語としてみることもできます。
物語としての筋立てが何よりおもしろいこと、心理描写が巧みであること、またその文章が流麗で美意識が鋭いことなどから、しばしば「古典の中の古典」、日本文学史上最高の傑作とされ、その後の日本人の美意識を決定づけたと言う人もいます。
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改版履歴

2018-09-15

第3版読者の方のご指摘により、幾つかの誤植を訂正させていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。2018/9/15

2018-08-19

第2版読者の方のご指摘により、幾つかの誤植を訂正させていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

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