民話集 イワンの馬鹿

文豪トルストイの傑作民話集。「イワンの馬鹿」他4編を収録

この古典教養文庫版の「民話集 イワンの馬鹿」には、次のような特長があります。

  1. 現在では使われない言い回しや言葉は、現在普通に使われる言葉に置き換えました。現代人には意味の取りにくい文は、平易な文に書きなおしました。

  2. 原文で触れられた場所、人物、絵画などを中心に、関連する画像を、著作権フリーのものにかぎって、いくつか挿入しましたので、より興味深く読み進めることができます。

  3. わかりにくい言葉や、登場人物、でき事、作品などについての適切な注を、割り注の形で入れてありますので、本文の理解が深まります。これは原訳書にあったものに、編集者が適宜加えたものです。

  4. 人名・地名は、現在通常に使われている表記に変更しました。

  5. この本の最後に訳者米川正夫による解説を掲載しました。

民話集 イワンの馬鹿について

この民話集の表題作「イワンの馬鹿」は、一八八五年(トルストイ五十七歳)年九月頃に書かれ、翌年発表されました。二大長編の「戦争と平和」、「アンナ・カレーニナ」を書き終え、「イワン・イリイチの死」や「闇の力」などの作品を書いていた時期にあたります。
この民話集には、表題作の他「小悪魔がパンきれの償いをした話」「人はどれだけの土地がいるか」、「三人の隠者」「作男のエメリヤンと空太鼓」の四篇を収録しています。
もともと「イワンのばか(イワンの馬鹿)」とは、ロシアの民話にしばしば登場する男性キャラクターをさし、非常に単純で愚直な男ではあるが、最後には幸運を手にすることが多い男のことをいいます。
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底本

角川文庫 民話集「イワンの馬鹿」
昭和三十年八月五日 初版発行
昭和三十三年二月二十日 五版発行

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